日本クラシック音楽コンクール

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代表理事挨拶

ごあいさつ

平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。

 さて、このたび日本クラシック音楽コンクールは本年度で34年目を迎えることができました。これもひとえに、先生方や音楽学習者をはじめ、多くの方々の長年にわたるご支援、ご理解、ご協力の賜物と心より感謝申し上げます。

昨年より、全国大会のピアノ部門(幼児、小学校の各部は除く)において1900年以降に生誕した作曲家の作品を演奏する場合は、古典派以前の作品も1曲あわせて演奏していただくこととなりました。ご理解、ご了承くださいますよう、よろしくお願いいたします。

当コンクールの発足当時、時間がかかっても個性的で創造性豊かな芸術家を育成したいとの思いで、課題曲が常識だった日本で、初めて自由曲制を採用しました。当時は随分お叱りもありましたが、「将来音楽界にとってプラスになることであれば、たとえ一人からでも信念を持って取り組もう!」と自らに言い聞かせながら必死に取り組んでまいりました。コロナ禍においても動画審査をおこなわずホールでの審査にこだわりを持って運営を続けています。

音楽はたった一人でも、大きなホールで多くの観客に、生きる力や勇気や希望、感動を与える事ができる素晴らしいものです。練習は楽しいものではないかもしれませんが、先生の顔が見えてくる音楽ではなく、自分の能力や可能性を信じて自分なりの感性と主張を織り込んだ個性的で魅力ある演奏を目指してほしいと思います。練習以外の時間は、自然に触れたり外で遊んだりし、美しいものを素直に美しいと感じる心を育ててほしいと思います。それが純粋で香り高い演奏、芸術的で完成度の高い演奏、温かみのある素晴らしい音楽に繋がっていくことでしょう。

そして、忘れてほしくないことは「基礎・基本を大切にしてほしい」ということです。平面的に書かれた楽譜をよく研究して、そこから立体的かつ有機的に、そして、初稿版や原典版を研究することで、その当時の時代感や様式感、作曲家の意図したものから大きくかけ離れないよう芸術性豊かな音楽に仕上げてほしいと思います。

人生はタイミングや運不運もあり、思うようにはなかなかいきませんが、コンクールや受験・スポーツ・ボランティア等、その時々に何事も一生懸命に、ひたむきに努力する人は将来どの職種に従事しても必ず実を結ぶことがあると思います。物事は結果が一番大切なのではなく、夢や目標に向かってコツコツと努力する、研鑽を積む― その過程が重要ではないでしょうか。

 今年もまた、昨年以上の新しい驚きや感動的な演奏に出会えることを心より楽しみにしております。

一般社団法人 日本クラシック音楽協会 代表理事  安藤 裕